いわなみ鍼灸院

359-0044 埼玉県所沢市松葉町4-25 オハナビル202

鍼療時間 8:00〜18:00[最終受付17:00] ※不定休

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ニュース・コラム

活動報告

第73回 全日本鍼灸学会宮城大会に参加しました

5/25(土)、26(日)を休診し、所属学会の全国大会に参加のため仙台へ行っておりました。
会場の仙台国際センターは青葉城の入口にあります。まずは政宗公にご挨拶。

伊達政宗公騎馬像

 全国大会のため各地から参加者があります。関係の先生方へご挨拶。少し歩けば出会いが多く、今年度行われる私の講演の打合だったり、原稿の打ち合わせ等々。犬も歩けば状態ですが、一気に用事が済んでしまいます。今回、私は「古典・経絡」のセクションで座長をつとめました。

 様々な研究を拝聴して大変刺激になりましたが、特に印象深かったのは、教育講演の浦山きか氏「東北の意味と意義」。政宗が医学に精通していたこと、自身が脈診を行っていたことについて話されました。まずは、医師でない政宗が脈診をしていたことに驚くわけです。そして、「六脈」いまでいう六部定位脈診を行っていたと証拠をもって言及されたことに驚きました。曲直瀬玄朔への信書も残っているそうですが、結果的に曲直瀬流の脈診を政宗が知っていたわけでして、何事も深く取り組む政宗だから知っていた先端医療なのか、藩医が日常的に用いていたのが六部定位脈診であるのか。歴史的事実に大変興味が深まりました。そして、脈診をいつでも出来る診察として自身や奥方に用いたことは、常の脈、平脈ともいいますが、これを知ることで異常をいち早く察知する。現代でいうスマートウォッチの脈拍記録に匹敵します。先見の明に驚くわけです。
 また、自身の診立てを藩医に伝えておいて薬の処方は任せたそうです。任された藩医の緊張たるや…。結果的に政宗の姿勢は、藩内の医療統制と向上に繋がったのではないか、といった浦山氏の考察にも納得でした。

「伊達政宗と片倉小十郎」(御歌頭) 展示:青葉山公園 仙臺緑彩館

 ここで妙な既視感に気がつきました。政宗と藩医の対侍する光景を思い浮かべていると、藩医の緊張がやけに身に染みるというか…。私の修業時代、師匠の患者であった石原慎太郎氏を思い出しました。施術の準備のために石原氏の対応を行うだけで私の心拍は急上昇します。脈を取らせていただくだけで緊張する。時折、診立てを聞かれるのです。そして、医学に精通した氏の高度な問いに絶句するのです。次の診察にむけて問いの応えを探すために医書を読む。良い思い出です。明日の講義では、政宗の姿勢と、私の思い出とともに、いつも自分の脈を診る重要性を学生に説きたいと思います。

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